日本でのプレミアムおむつの市場規模は、2015年からの2年間で1.8倍へと成長(ユニ・チャーム調べ)しています。着実にニーズが高まるなか、今後の市場の拡大を見越し、プレミアムおむつの開発に各社力を入れているようです。赤ちゃんの肌に優しいおむつの開発は、消費者にとっては嬉しいものですね。
今回は、プレミアムおむつの代表的な存在でもあるパンパース肌へのいちばん、ナチュラルムーニーマンをそれぞれ比較していきたいと思います。
※それぞれビッグサイズで比較しています。
- おむつ比較【パンパース肌いち・ナチュラルムーニーマン】って、どんなおむつ?
- サイズ感
- ウエストゴムの伸び
- ギャザー
- 手触り
- 表面シート素材の比較
- 【比較を終えての感想】
- 【本当に赤ちゃんの肌のためを想うなら】
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おむつ比較【パンパース肌いち・ナチュラルムーニーマン】って、どんなおむつ?
比較に入る前に、それぞれの製品の特徴を簡単にまとめます。
△パンパース肌へのいちばん(左)/ナチュラルムーニーマン(右)
【新】パンンパース肌へのいちばん
・2017年6月中旬より発売
・極上にやわらかくしなやかな最高級パンツ
・厳選された羽毛のような素材による、パンパース史上最高のやわらかさ。
・「3つのマジック吸収体」で、分散して即吸収。
・やわらかのびのびベルトで快適フィット。
・素材
- 表面材: ポリオレフィン不織布
- 吸収材: ポリエステル不織布、ポリオレフィン不織布、 綿状パルプ、高分子吸水材
- 防水材: ポリオレフィンフィルム
- 止着材: 粘着テープ
- 伸縮材: 合成ゴム
- 結合材: ホットメルト粘着材
ナチュラルムーニーマン
・2017年10月24日より発売
・最高品質のプレミアム紙パンツ
・【世界初】3D設計のゆるうんちポケット(SサイズとMサイズのみ)
・【日本初】紙おむつの表面シートにオーガニックコットンを配合
・石油由来の油剤無添加で「弱酸性」の植物由来オイルを採用。⇨おむつの中がアルカリ性にかたむくとおむつかぶれが起こりやすくなります。おむつを弱酸性にすることで、おむつかぶれを防ぎます。
・「あんしんロングガード」でモレ安心。
・素材
- 表面材:ポリオレフィン・ポリエステル・コットン不織布
- 吸水材:綿状パルプ、高分子吸水材、吸水紙
- 防水材:ポリオレフィンフィルム
- 止着材:ポリウレタン
- 伸縮材:ポリオレフィン
- 結合材:スチレン系エラストマー合成樹脂
それでは比較していきましょう。
サイズ感
対応サイズはそれぞれ次の通りです。
- 【パンパース肌へのいちばん】新生児サイズ -5kg/Sサイズ4-8kg/Mサイズ6-10kg/Lサイズ9-14kg/ビッグサイズ12-22kg
- 【ナチュラルムーニーマン】Sサイズ4-8kg/Mサイズ5-10kg/Lサイズ9-14kg/ビッグサイズ12-17kg
【パンパース】は、通常ラインも高級ラインも、テープタイプもパンツタイプも、共に縦長なつくりが特徴的です。
縦長なので、【ナチュラルムーニーマン】より股上が深い印象です。
ウエストゴムの伸び
△パンパース肌へのいちばん(左)/ナチュラルムーニーマン(右)
私一個人の感覚では、指で広げた際の柔らかさと広がりの良さは、
【ナチュラルムーニーマン】 > 【パンパース肌へのいちばん】
でした。
【ナチュラルムーニーマン】は、指の力だけでふわっと広がります。それに対して【パンパース肌へのいちばん】は、指の力だけでは広がりづらく、両手で少し力を入れてぐっと広げる感じでした。広げたあとも少しすると元の位置に縮まってしまうので、食事のあとはゴムが苦しくなってしまわないかと少々心配になります。【パンパース肌へのいちばん】の場合は、お腹まわりが大きめな子にはワンサイズアップのものを選んであげたほうがいいのかなという印象でした。
ギャザー
パンパース肌へのいちばん(左)と、ナチュラルムーニーマン(右)のギャザーの比較です。
ギャザーの高さは、
【ナチュラルムーニーマン】 > 【パンパース肌へのいちばん】
でした。
共に、内側と外側の二重構造のギャザーがしっかりとついています。しかし、「あんしんロングガード」を謳っている【ナチュラルムーニーマン】のギャザーの方が高さがありしっかりしている印象でした。
ビッグサイズともなると赤ちゃん時代とは違いゆるゆるうんちではなくなるので、実は、日頃はギャザーのことなんてそんなに気にしていませんでした。しかし、先日、ギャザーの重要性について再認識する場面があったのです。
娘がトレパンマンを着用中に下痢をしました。その際、横漏れして服まで汚れてしまったのです。トレパンマンとパンパースは同じくらいのギャザーの高さなので、もしパンパース着用時に下痢をしていたら、トレパンマン同様に横漏れしてしまっていたかも!?と思いました。これからは、下痢をしているときは【ナチュラルムーニーマン】を使おうと思いました。
手触り
【パンパース肌へのいちばん】も、【ナチュラルムーニーマン】もどちらもふわふわですべすべの肌触りです。さすが高級ラインのプレミアムおむつといったところ。
ここまでくると、あとはもう個人の好みでしょう。ちなみにですが、ウエスト周りはどちらもしっとりとした柔らかな印象ですが、吸収体の部分は、ウエスト部分よりも多少紙っぽい感じはします。しいて挙げるとすれば、【パンパース肌へのいちばん】の方がウエスト部分の柔らかさと吸収体の部分の紙っぽさの差があるように感じました。
表面シート素材の比較
肌に直接触れる表面シートには、どんな素材が使われているのか一番気になるところです。
【パンパース肌へのいちばん】…「羽毛のような素材」と謳われてはいますが、表面シートはポリオレフィン不織布。
【ナチュラルムーニーマン】…「紙おむつの表面シートにオーガニックコットンを配合」と謳われてはいますが、素材自体は100%オーガニックコットンというわけではない。
「オーガニックコットン」の文字に惹かれて購入したナチュラルムーニーマンでしたが、あとになって「配合」という文字が気になりだしました。「配合」ということは、表面シートの素材が「100%オーガニックコットン」というわけではないということです。
【ナチュラルムーニーマン】の表面シートは、ポリオレフィン・ポリエステル・コットン不織布からできています。オーガニックコットンが一体何%使われているのかも不明です。
【比較を終えての感想】
年々プレミアムおむつの需要が高まっているようですが、私もプレミアムおむつを選んで使い続けてきたうちの一人です。2015年に娘が生まれてからは、1年半以上【パンパースはじめての肌へのいちばん(テープタイプ)】と【パンパース肌へのいちばん(パンツタイプ)】を愛用してきました。今回「オーガニックコットン配合」の文字に惹かれ、始めて【ナチュラルムーニーマン】を買ってみましたが、【パンパース肌へのいちばん】と【ナチュラルムーニーマン】の比較をしていく中で、私の中では【ナチュラルムーニーマン】に軍配があがってしまいました。。。
【ナチュラルムーニーマン】は表面シートが100%オーガニックコットンではないにしても、「石油由来の油剤無添加」「弱酸性」という部分と、紙のふわふわ感が【パンパース肌へのいちばん】よりも私の好みでした。
【本当に赤ちゃんの肌のためを想うなら】
日本の紙おむつの開発は本当にすごいと思います。旅行などで海外のおむつを使う機会があると、日本の紙おむつは「神」おむつだな〜なんて思うこともしばしばです。
でも、私のホンネは、、、「高分子吸収剤を使ってる時点でプレミアムおむつも安いおむつもどれも一緒」だと思っています。
アメリカで買えるSeventh Generation(セブンスジェネレーション)の紙おむつは、
・人体に有害な塩素漂白剤・石油・重金属・高分子吸収剤・香料・着色料を一切含まない。
・おむつの絵柄のインクにもこだわり、鉛やその他の重金属を一切含まない。
といったこだわりようです。日本でも輸入品を購入することはできますが、とても高い。。。是非、おむつ開発大国の日本でもこのような製品を作ってくれたらいいのになと願っています。
Seventh Generationのおむつに関してはこちらの記事でも詳しく書いています。
▶︎おむつ比較 in Hawaii〜赤ちゃん連れハワイ旅行〜 - YOROZU KOSODATE
高分子吸収剤がなぜよくないのか。それは、おむつに使われる高分子吸収材は、保冷剤や熱冷ましシートに使われているものと全く同じものだからです。一度水分を含んだ高分子吸収材は、冷たいジェル状になり保冷剤や熱冷ましシートと同じ役割をするので、触れている部分の熱を奪い続けます。詳しくこちらの記事の下の方に書いています。
▶︎イライラしない!機嫌の良い赤ちゃんに育つ西原式育児のキホン《7ケ条》(1) - YOROZU KOSODATE
大人向けの生理用品では、ナチュラムーンやシシフィーユのように、
・肌に直接触れるトップシートが天然コットン100%
・高分子吸収剤不使用
・分解すると水と酸素に戻る安全な漂泊方法の酸素漂白を採用(日本では医薬部外品である生理用ナプキンは、トップシートは漂泊されていないと販売できない)
といった特徴のある肌に優しい製品があります。それなのに、生まれたばかりの赤ちゃんには高分子吸収剤使用、塩素漂白、コットン以外の表面シートを使った製品しかないのって、なんだか変じゃありませんか?私自身はナチュラムーンを使っているのですが、私ばっかり天然コットンとか使っちゃって…と、使うたびに娘に申し訳ない気持ちになるのです。
まあ、そこまでこだわるなら布おむつ使ったら?って話なんですが、おむつ開発大国の日本だからこそ、特に大手に、PRのためじゃなく本当の意味で赤ちゃんにとって優しいおむつを作ってもらいたいと思うのです。